●聖霊高校第3回目の講演!
昨年に引き続き、聖霊高校での第3回目の講演です!愛知県瀬戸市の聖霊高等学校で、90分の講演を行いました。みなさんの身近なところにある「契約」と、いつ襲われるかわからない「悪徳商法」について、お話ししました。メニューは次の通りです。引き続きスライドを使用して、話の内容をより理解できるように試みました。
1.挨拶と講義の概要説明
2.講義
(1)「法律」について
(2)「契約」について
(3)悪徳商法の現状
3.クイズ(クーリングオフできる?)
(1)換気扇フィルターの訪問販売
(2)自動車の訪問販売
(3)ネットオークションで時計を購入
(4)TVショッピングでの買い物
(5)宝石の店舗前でのキャッチセールス
(6)解説
4.ショートコント
(古家&森川のデート商法再現シーン)
5.悪徳商法の実例
6.キリスト教講座
7.解説
(1)成年者と未成年者
(2)契約について敏感に!
(3)クレジット(ローン)契約
(4)権利と義務(20歳になったら)
(5)みなさんを守ってくれる法律
8.相談窓口の紹介
9.質疑応答
(スタッフ 小坂、藤川、近藤(和)、古家、森川、遠山、古家、今村)
Q1.買い物も契約と言うことを知っていましたか? | |||||||||||
Q2.法律や契約に興味を持てましたか? | |||||||||||
Q3.20歳になってどんなことに注意すればいいですか? | |||||||||||
Q4.身の回りの契約を挙げて下さい | |||||||||||
Q5.悪徳商法から身を守るために、これからどうしますか? | |||||||||||
Q6.講義の中で、一番印象に残ったところはどこですか? | |||||||||||
Q7.契約についての授業を聞いた感想は? |
●講義風景
1.挨拶と講義の概要説明(担当:藤川)
最初に、契約学習ネットワーク東海の簡単な紹介と、当日の講義についての説明を行いました。今回の売りは「スライド」。大画面に、みなさんがわかりやすいように説明を書いておきました。講師の藤川氏は南山学園出身と言うこともあり、今回は「恩返し」の講義でもあります。
2.講義(担当:小坂)
(1)法律について
スポーツには、「ルール」があります。
バスケットボールの競技では、「トラベリング」や「3秒ルール」などがあります。もしこれに違反すると、相手にボールがわたりますね。学校生活にも、「ルール」があります。「遅刻をしない」「宿題をやる」「私語を控える」など、数多くのルールがあります。このルール(校則)を破ると、退学になったり、反省文を書かされたりと、「罰則」が待ち受けています。男子校では「丸刈り」にされるかもしれませんね。
法律も、よく似ています。罰則を置くことによって、秩序を保とうとしています。
(2)契約について
「契約」とは、民法上の用語です。原則自由ですが、法律により契約のルールが定められています。日常知らない間にも、みなさんは多くの契約を交わしています。
(例)携帯電話を使う・電車に乗る(3)悪徳商法の現状
法律に反した商売をしている人達がいます。そう、悪徳商法ですね。「振り込め詐欺」「架空請求」「資格商法」「デート商法」など、実に多くの種類があります。今回は、この中の「デート商法」についてコントを行いました。
3.クイズ(クーリングオフできる?)(担当:藤川)
今回は、何と!11名が全問正解!
みなさん警戒心が強いんだなぁと感心してしまいました。自動車が訪問販売でもクーリングオフできないというのは、やはり今回も正解率が悪かったですね。半分程度の生徒さんが間違えてしまいました。間違えた方は、これから契約の時慎重にサイン、押印をするようにして下さい。
全問正解した方も気を抜かずに、契約内容をよく確かめましょうね。
4.ショートコント(担当:古家、森川、藤川、近藤、遠山)
古家(三重の山岳地帯から名古屋に出てきた大学3年生。女性とのお付きあい経験なし。惚れっぽい学生の役。このコントのために着替えもします。)
森川(デート商法で質の悪いダイヤモンドを買わせている、「株式会社悪徳」のトップセールスレディの役)甘えた口調で古家さんをメロメロにして、見事に宝石を買わせてしまいます。「私が払うから、あなたの名前で契約結んで~」と、言われるままに「名義貸し」をして書類にサインしてしまいました。
迫真の演技で、学生のみなさんを笑いの渦へ。このショートコントが印象に残ったという方が多かったようです。
以下に本日使用したスライドの一部を掲載します。
(スライド:「デート商法のコント」)
(スライド:「ショートコント」)
(スライド:「多重債務者への転落の図」)
5.悪徳商法の実例(担当:遠山)
遠山行政書士より、悪徳商法の実例を紹介致しました。渋谷の街を歩いていたときのキャッチセールスの実態や、マルチ商法に引っかかる若者の話など。特にマルチ商法は、友人(と思っている人)からの勧誘が多く、断るのに一苦労です。遠山さんはこのような誘いを過去に受けたことがあり、芸能人並みの多忙さを理由にうまく切り抜けたようです。
みなさんも気をつけて下さいね。
お金目当てで寄ってくる人も多いですよ!
6.キリスト教講座(担当:藤川)
元教員、藤川さんが担当する「キリスト教講座」。善きサマリア人など、聖書の例を出しながら契約、法律をきちんと交わすことの重要性を解説しました。【参考】米国では”Good Samarian Law”(「善きサマリア人法」)という慣習法があり、善意で応急措置をした人は法的な罪に問われないというものもありますよ。
自分のことで頭がいっぱいになっては、他人を助けるという考えもなくなってしまいます。今日参加したみなさまも、家庭で話題にしたり友達と話すことによって、周囲の人達を助けてあげて下さい。将来どこかでみなさんを救ってくれることがあるでしょう。
7.解説(担当:小坂)
未成年→成年となり、何が変わるか?
お酒も飲めますし、タバコもOK。選挙権も手にしますね。そして、「単独で有効な契約」をすることができます。従って、悪徳商法の被害者となるのも20歳過ぎの人が多いのですが、そんなみなさんを守ってくれる法律があります。例えば、「特定商取引法」「消費者契約法」です。
クレジット契約の仕組みについても解説しました。なぜ商品を購入した金額よりも大きくなるのか、など。契約について不審な点があれば、すぐその場で確認するようにしましょう。
7.相談窓口
8.役に立つWEBサイト集
9.質疑応答
こうして90分の講義は終わりました。
今回参加したみなさまが将来被害に遭わないことを切に望みます。
アンケートの結果も、次回以降の講義の参考になりました。また、スタッフ全員の励みとなります。ありがとうございます。それでは、ご覧下さい!
生徒のみなさんに、講義終了後記入してもらいました。主催者側の期待通りの回答から、鋭いご指摘まで、いろいろありました。やはり同じ講義を聴いても、三者三様で、違った捉え方があるのですね。興味深い結果となりました。
意外と「契約」という意識がないという結果が出ました。
買い物は「売買契約」ですね。コンビニなどでレジに品物を持って行き、「○○円です」と言われてお金を出した時点で「契約成立」ですね。
みなさんの日常生活に溢れている「法律」や「契約」です。いろんな場面で契約に関わっています。TV番組でも最近多く採り上げられていますので、ぜひ興味を持って見て下さいね。
成年になったら自己責任が問われると言うことを強く感じたようですね。
契約書をよく読みたいという回答も多くありました。分からない点があれば、その場で聞くようにし、納得がいかなければサインや押印をしないで下さいね。
携帯電話は、ほとんどのみなさんが持っていたようです。やはり身近にあるものを挙げる人が多かったですね。他にも「公共料金」や「ポイントカード」などがありました。ポイントカードも、規約があるので、契約の一種ですね。そう考えると、「契約」って身近なところにたくさん潜んでいますね。
知らない人からの電話や勧誘を「断る勇気」を持って下さい。別に知らない人から「嫌な奴」と思われても構いませんよね。興味がなければ、電話を切って下さい。「怪しい勧誘」を怪しいと思えるかどうかが大事です。
コント(寸劇)が大半でした。森川さんと古家さんの演技が好評だったようです。クイズも、自動車や通信販売がクーリングオフできないということに衝撃を受けた方が多くいらっしゃいました。何でもクーリングオフできるわけではないのです。クイズは全問正解が11名/160名でしたが、これは比較的優秀な数字ですよ。全滅となるときも多いので。。
面白かった、役に立つと思ったという意見が多かったですね。
この講義が今後の役に立てば、スタッフ一同嬉しく思います。悪徳商法に引っかかって人生を狂わされることのないように、これからの社会生活を送っていただきたいと願っております。
●聖霊高校第3回講義を終えて
20歳を迎えるにあたって、予め知識を身につけておけば、「ああ、これがあのとき聴いた『悪徳商法か!』」と、すぐに分かります。何でもかんでも「クーリングオフ」できないというのは、以前までの講義同様、衝撃だったようです。こういうことがご家庭でも話題に上ればと思います。
本日会場をご用意して下さいました聖霊高校のみなさま、ありがとうございました。今後とも改善を重ねてより効果的な講座を作っていきますので、引き続き契約学習ネットワーク東海のウェブサイトに注目して下さいね。
(おまけ:コントの「株式会社悪徳」従業員役を務めた近藤さん)